コア・サテライト戦略のフレームワークで、資産にメリハリをつけている方は多いと思います。
コア資産はインデクス投資、サテライト資産は個別株で、みたいな感じで、それはそれで資産の「色付け」が明確になって有用です。
でも、個人的にサテライトはしっくりこないのです。
本記事では、サテライトに明確に定義を与えることで、コア・サテライト戦略をもう少し運用しやすいように概念化してみます。
コア・サテライト戦略とは
「コア・サテライト戦略」とは、リスク・リターンの度合いによって、運用資産をコア(中核)とサテライト(衛星)に分けることでリスク管理を明確化する戦略です。
コアは、相対的にリスクの低い、長期的に安定して運用できる金融商品とします。
サテライトは、よりリターンの高いの金融商品と定義します。
このようにコア・サテライトの2つの資産に分離することで、2つの資産バランスを運用ルールとして決めることでリスク管理を容易にします。
一般に、コアとサテライトの比率は、コア80%、サテライト20%が推奨されているようです。
ここは個人のリスク許容度に応じて、自由に設定すればよいです。
コア資産とサテライト資産の考え方
コア資産
コア資産は、長期安定が理想です。
そのため、キャピタルゲイン狙いのインデクス投資、高配当株投資などが適しています。
個人の投資傾向に合わせて検討しましょう。
サテライト資産
問題は、サテライトです。サテライトをどう考えるか。
ざっくりと「相対的にハイリスクな資産」ということであれば、本質的には短期売買となります。
短期売買を前提とした一時的な金融資産をどう定義するか、ということになるかと思います。
例えば、信用取引などの証拠金取引は、どう考えるか。
僕は、サテライトは「資産」というより待機資金運用と位置付けたほうが良いと考えています。
このように考えると、少し景色が変わってきます。
資金運用
サテライトを、待機資金運用と位置付けた場合、時間分散の運用の考え方が変わります。
以下がイメージ図です。
左の図はサテライトを保有資産としてとらえた場合を表し、右の図が待機資金の運用資産としてとらえた場合です。
図では、一定のサテライト資産の運用資金をすでに待機資金として保有し、かつ時間分散で投資している前提で作成しています。
ポイントは以下です。
- 投資資金からの投資額は、サテライトを資産としてとらえた場合、1回の投資額は「多く感じる」
- 保有資産として、コア資産とサテライト資産の境界があいまいとなる
- サテライトが保有資産側に位置付けられるため、リスク管理が徹底しづらい
投資行動としては同じ結果になりますが、考え方が大きく異なります。
ちょっとした違いですが、考え方が異なると、その結果は将来の行動に大きく影響します。
この考え方は、メンタルアカウンティングという行動経済学の概念で心理的に扱いやすくすることを容易にします。興味がある方は、以下の関連記事を読んでください。
まとめ
コア・サテライト戦略の、「サテライト」の概念を定義することによって、その後の運用が変わるという内容でした。
本記事では、サテライトを「待機資金の運用資産」ととらえることで、投資方針と運用方針についてより明確なルールが定義できると紹介しました。
ご参考になれば幸いです。
コメント